兄弟が出来た日
母からの告知
今でもはっきりと覚えている。
母がある日「赤ちゃんができたかもしれないから病院へ行ってくる。」と言い、出かけて行った。
私の気持ちは複雑だった。
帰ってきた母から「赤ちゃんができた、弟か妹ができるよ。」と言われた。
多分母に対しては当り障りのない返事をしたと思うが、今更嬉しくないと心の中で思っていた。
後に弟が生まれたのだが、8歳離れている。
今まで一人を満喫していた私は、はっきり言ってちっとも嬉しくなかった。
一人を満喫というか、ただでさえ親にかまってもらえず寂しい子だったのに、更に自分がかまってもらえなくなる事が嫌だったのだろう。
つわりがひどくて吐いてる母を見て、「妊娠するのって嫌だな。」とも思ったりした。
でもまぁ、妹だったらいいなとちょっとだけ思ったりもしていた。
実に複雑な心境で弟が生まれるまでの日々を過ごした。