私にとっての母
子供の頃の私その2
私が生まれてすぐに母は病気になり、私は祖母の手によって育てられた。
多分2歳になる位まで。
赤ちゃんの頃の写真は祖母の家で、祖母に抱かれている写真が圧倒的に多い。
なので私にとっての母親像は「祖母」である。
祖母は働き物で料理が上手で優しかった…何よりも自分の手で育ったという思いもあってか、孫の中で一番可愛がってもらった。
私の母も働き物である。
しかし料理は上手くない、祖母のような愛情も注いでくれていないと子供ながらに感じていた。
なので大人になるまで母に対しては、どこか「恨み」のような気持ちを抱えながら生きてきた気がする。
怒られると「お前は川の橋の下で拾った」とよく言われた。
本気で「本当のお母さんは別にいるんじゃないか?」と思った事もある。
子供ながらに母親との間に見えない壁があるように感じ、どこか他人のような気がして、いつも母の顔色を見ながら日々過ごしていた。
だから人の顔色を伺う、人を良く観察するのは得意だ。
そのおかげで今の職業がうまくいっている気もしなくはない。
でもそれは結果論であり、いつもどこかびくびくしながら日々過ごしていた。